書評

【書評】一度は知っておきたい著作権 | 「クリエーターのための権利の本」

2023年2月1日

ブログまたはサイトを運営していると、一度は著作権について気になられた方は少なくないと思います。

クリエーターといっても様々ですが、ブロガーの書く各々の文章にもそれぞれオリジナリティーがあり、まして画像や創作物を記載・掲載するものなら当然唯一性の高い価値があります。

そこで、今回はどのように自身の権利を守るか、または相手の権利を尊重するにはどこまでが侵害に当たらないのかを詳細に解説した、書籍をご紹介します。

今回の一押しはこちら!!

Amazon でも高評価レビューがほぼ8割を占めています!!

「クリエーターのための権利の本」

著者名を挙げるとかなりの人数となりますが、

大串 肇 (著), 北村 崇 (著), 染谷 昌利 (著), 木村 剛大 (著, 監修), 古賀 海人 (著), 齋木 弘樹 (著), 角田 綾佳 (著), 小関 匡 (編集)

となります。

なぜこのように著者の多い本なのか?それは、各クリエイター部門のエキスパートの方々が適材適所のポジションを担当しているからです。

またどの著者も自身の専門書籍を出版しているので、名前から見覚えがあるかもしれません。


昨今の Web 事情により創作物や他者の著作物を簡単にアップロードできるシステムが整っています。

SNS・メディア・ブログなどへのアップなど著作権侵害において、かなりグレーゾーンな部分もあります。

著作権法の取り締まりも強化され、後々知らなかったでは済まない状況に追い込まれることもあるかもしれません。

昨今ブログを書く人も以前より増え、記事を書く際に今まで以上に、頭の片隅に入れておく必要があります。

本書はブロガーだけでなく、Web で発信する方向けに対して書かれた、入門書的な位置付けです。何も法律用語がバンバン出てきて難しいと言ったことはありません。

それぞれの具体例を挙げつつ、グレーゾーンについて細かく解説してあります。

管理人(私)もこの書籍を購入し一読しました。読む前とその後では、分かっているようで分かっていなかったことが鮮明になり、これからのブログ活動にもより慎重に対処できると感じました。

この手の書籍をまだ読まれていない方は、一度目を通されてみてはいかがでしょうか。

このような方におすすめ

  • 著作権について詳しく知りたい
  • 創作物の価値を守りたい
  • やっていいことと、いけないことの線引き
  • 権利を侵害されたときの対処法

読書ポイント

  • 各セクションが 2〜4 ページで構成されているので読みやすい
  • 著作権関連のトラブル事件について、判例が載せてあるのでわかりやすい

本書のポイント

まずは、ボリュームのある書籍から、特に私が感じた本書のポイントをいくつかご紹介します。

ここだけは押さえよう!

  • 「引用」と「転載」は違う!
  • プログラムソースの保護範囲はどこまで?
  • 「クリエイター」と「クライアント」との著作権譲渡
  • 著作権侵害を受けたら即行動しよう!

「引用」と「転載」は違う!

両者の違いについて、即座に答えれますか?

「無断転載禁止」などの記載を見ると「あ〜引用さえもできないのか。。」と思うかもしれません。

結論を言うと、引用は転載の一部であり、程度による主従関係やそのほか引用の条件を満たすことでそれが可能となります。

こういった用語の意味について、理解や知識があやふやな時は、まず言葉の意味や定義に立ち返るところから始めましょう。

  • 引用: 他人の文章・説明・事例などを自分の文章中に引いて用いることを指します。また引用元を明記するなどの条件があります。
  • 転載: 著作物をそのまま転用する割合が引用よりも大きいことを指します。

つまり、両者の違いを一言でまとめると、「自分の著作物に転用する他者の著作物の割合」を意味します。

「転載」の場合、著作権者に許可を得る必要がありますが、「無断転載禁止」と記載があれば、言わずとも分かりますよね。

本書では、転載・引用でも各媒体によってのパターンが違うので、そのあたりを細かくセクションごとに分けて解説してあります。

例えば、歌詞や新聞の紙面・手紙・メール文などに関してです。

プログラムソースの保護範囲はどこまで?

プログラミングの熱が盛んな昨今、

  • ソースコードの保護範囲ってどこまで?
  • そもそもソースコードに著作権はあるの?
  • コピペして使ってもいいの?

そう感じる方は当然のように多くいると思われます。

事実上、小説やアートなどの典型的な著作物と違い、このような機能的な著作物は類似した表現が出しにくく、オリジナリティーに欠ける面があります。

そのため、保護範囲の明確な線引きというのはやや難しくあるように思えます。かといって、無制限に利用できるかというとそれは違います。

誰でも書けるようなありふれたソースコードは別として、複雑な長いコードはそれなりの制約があります。これについては過去の判例に照らし、どれぐらいの割合がNGなのかどうかも合わせて本書で紹介されています。

また、ソフトウェアをよく使う人ならご存知の、「オープンソース」「フリーウェア」にかかる二次利用や著作権についてもかなり詳しく明記されています。

ちなみに、昨今主流のブログ構築ツールである WordPress もオープンソース・ソフトウェアであり GPL というライセンスで提供されています。このオープンソース(GPL)という特徴があってこそ、ソースコードを公開することにより多くの有料・無料プラグインやオリジナルテーマが生まれ、ビジネスや技術の発展の一役を担っています。

オープンソースにもライセンスの種別があり、それによってソースコードを開示するかどうかの取り決めや条件なども異なります。こちらについては本書で詳しく解説されてあります。

「クリエイター」と「クライアント」との著作権譲渡

こちらはクリエイターなら非常に注目に値する項目だと思われます。

またこれから成果物を以ってして、フリーランスとして活動されるなら、クライアントとの契約・権利の所在については明確にしておくべきです。

なぜなら、事前に契約書などで取り交わしておかないと、どちらに成果物の著作権があるのかどうか論争になる場合があるからです。判例でも数多くの事件があり、それを物語っています。

「契約書」がなくても「契約」は成立しますが、後々の争いになった場合「証拠」の一つとして提示することができ効力も持ちます。

  • 著作権の譲渡
  • 著作権の利用許諾

どちらにするのかなど、この辺りについてはしっかりと取り決めをしましょう!

本書では、この辺りの事例や判例も交えて詳しく解説してあります。

著作権侵害を受けたら即行動しよう!

実際に自身の創作物に対して、著作権侵害を受けたらどうすべきか。。

行動するにしてもどうすれば良いか。。迷うかもしれません。

個人によって様々なケースがあると思いますが、真っ先に取り組むのは、自己判断ではなく専門家・専門機関のアドバイスを仰ぐことでしょう。

個人フリーランスである場合、法人相手では、どうも法律も詳しくなく分が悪いと感じてしまい、手を出しにくい状態に追い込まれるかもしれません。そういった意味では多少費用が嵩みますが、弁護士に相談する・少額訴訟をするといった方法を取った方が最善だと思われます。

また、自分が相手方の著作権を侵害していると通告があった場合についても、自己判断できない場合は、専門機関を頼るのがいいでしょう。

上記については、弁護士に相談する方法や少額訴訟の実体験例などを載せて詳しく解説してあります。

まとめ:「クリエーターのための権利の本」

いかがでしたでしょうか?

本書のおさらい

  • 「引用」と「転載」は分量や割合によって違うよ!
  • ソースコードの取り扱いはやや抽象的
  • 「クリエイター」と「クライアント」の契約・権利の所在をはっきりさせておく
  • 著作権侵害を受けたら専門家・専門機関に相談してみよう

クリエイターとまではいかなくても Web を使う以上、著作権は切っても切れない関係で、問題なくとも将来的に関わる可能性が非常に高いものです。

私が読んでいて特に関心を持ったのは、

「クリエイター」と「クライアント」の著作権譲渡関係です

将来的に何かしらの創作物をたずさえて、営業する場合、契約・権利の所在を明らかにしておく方が後々のトラブル回避には対処しやすいと思いました。

クラウドワークスや個人での受託開発などがありますが、契約・登録する際には著作物の取り扱いについて、事前にしっかりと確認しておくべきです。

著作権は、著作物を創作した者がもつ権利を保護するとともに、文化の発展にも貢献することを目的とした法律です。

したがって、著作権侵害についてはかなりグレーな曖昧な境界線が引かれるところもありますが、侵害を受けた場合は自身の成果物に対して愛情を持って厳しく立ち向かう姿勢を持ちましょう!!

クリエイターだけでなく、ブロガーなど Web を多用する方にもとても参考になる一冊です。

それでは、またの機会に良書を紹介していきたいと思います。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

【本書の目次】

1章: クリエイターが権利について知っておくべき理由

2章: 写真・イラスト・デザイン

3章: 文章・コピー

4章: プログラムコード・ライセンス

5章: 契約・権利の所在

6章: トラブル発生時の対処

7章: デジタルにおける著作権の考え方

付録


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