書評

「書評」と「要約」はどう違うのか?

2024年10月24日

最近、書評を記事にしてみたり、要約サービスサイトを眺めていたりしています。

とある書評ブログを見ると、「書評」と「要約」を混同して書かれてあったり際どいように思えたので、「こりゃマズいんじゃないの」と思い、自身の理解や頭の整理も兼ねてその違いを的確にまとめてみました。

本記事の内容

  • 「書評」と「要約」の言葉の意味の違い
  • 法律上抵触する恐れのある「要約」の問題
  • 要約サービスサイトの紹介
  • ブログと「書評」について
  • まとめ

「書評」と「要約」の言葉の意味の違い

まずは言葉の意味ときたら、辞書による意味付け(定義)を確認してみましょう。

書評[新聞や雑誌などで]新刊の書物・雑誌の内容を紹介・批評すること。また、その文章。
要約文章・談話などの要点をまとめて短くすること。また、そのようにしたもの。
批評物事の良い点・悪い点などをあれこれ評価すること。また、評価したもの。類語:批判
批判よしあしなどについて論理的・科学的に検討して判定すること。また、その判定。参考:ふつう否定的な意味に使う。
現代新国語辞典

簡単に言ってしまえば、「書評」は執筆者の意見や主観が混ざるものもあるし、客観的な目線で論じられるものもあるということ。

一方、「要約」は「書評」とは違って執筆者の感情は一切入らず、単に長い文章を要点を押さえて短くまとめるといった感じです。

用語の意味は分かったので、次はサイトで運営する際に気をつけなければならないことを論じていこうと思います。

法律上抵触する恐れのある「要約」の問題

Amazon のように商品書籍に「書評」を設けていたり、ブログなどの個人サイトでも同じく「書評」を見ることがあります。実際私もいくつか記事を書いています。

しかし、たまに「書評」を「要約」のように履き違えてサイトに載せているのを見かけることがあります。

上記のように、言葉の意味では「執筆者の意見・主観が入るか否か」の違いですが、大体同じじゃないの?って思う方も少なからずいるかと思います。

「書評」と「要約」では法律上の取り扱いとしては全く別物です。

「要約(まとめ)」は無断で行えば著作権を侵害することになります。

「要約」の何がいけないのか?

一般的に、著作物を要約することは著作権法上の「翻案(ほんあん)」に当たるとのこと。

”翻案”とは、元の著作物のストーリ性を変えることなく、具体的な表現を変えることをいう(著作権法27条)

引用: 知的財産用語辞典

元の著作物に何らかの創作性を加えて(改変して)新しい著作物を作成すれば、翻案となり、創作性がなければ複製を行ったことになります。

翻案にしても複製にしても、翻訳権・複製権として著作者の権利を保護するために著作権法の中で定められています。

翻案を行い、新しく創作した著作物は二次著作物となり、それを創作した者にも権利が発生します。なお、原著作物の権利者も同等の権利を持ちます(28条)。つまり、この28条は、「二次的著作物の原著作物の著作者は、二次的著作物の利用に関し、二次的著作物の著作者が有するものと同一の権利を専有する。」と定めています。

原著作者が知らないところで、翻案により二次著作物が出来上がり、それを元に二次的著作物の著作者が利益を荒稼ぎされていてはたまったもんじゃありませんよね。二次的著作物については原著作者にも当然利益が還元されなくてはならないのですから。

要約」は程度の問題もあり、グレーゾーンなところもありますが、元々の著作物に対して全容量を圧縮したものに留まるにしても、翻案権侵害に当たる可能性があります。

したがって、複製(コピー)はもちろんのこと翻案についても、原著作者に許諾を得てから行うのが妥当です。

危なっかしい要約作業について

上記では、「要約」が翻案に当たることを説明してきました。

次は要約をする作業において、気を付けておきたいことを述べたいと思います。

昨今は、何でも自動化といって簡単に自動生成できる「AIツール」なるものが出現してきました。

メジャーなところで言えば、ChapGPT やそれから派生した生成AIツールが出回っています。

参考にいえば、ブラウザ上で5000〜10000文字ほどの日本語文章を入力するだけで、あっという間に文章の要約が出来てしまうサイトなどがあります。

したがって、このようなツールを用いて要約を作成し、サイトにアップすることは上記の翻案権侵害により一発アウトです。

しかしながら、どういった場面、場所で使うかを明確にし原物の著作物に対して権利侵害のないよう考慮すれば、このようなツールは何ら使用しても問題ないわけです。

例えば、このようなものでしょう。

  • ビジネスなどの会議での議事録
  • 個人で使用する場合の私的利用(勉学など)

しかし、今回の件のように、ブログやホームページなどの大衆の目に触れる対象物に対しては、著作権者に許諾を得てから行うことが必須条件です。

ただ、一個人が著作権者に承諾を得ることは、利害関係等を含め中々難しいところがありますので、要約サイトを運営しているところは企業がメインで行なっているのが実情です。

個人が行うのは、大方「書評」や「紹介」に留まるものであって、「要約」は個人レベルでは難しいものであるというのが見解です。

要約サービスサイトの紹介

次で紹介するサイトについては、すべて出版社や著作権者に許諾を得てから掲載している企業なので、読者も安心して利用できます。

代表的なところと言えば、次のようなものがあります。

本の要約サイト一覧

  • Summary ONLINE (サマリーオンライン)
  • flier (フライヤー)
  • SERENDIP (セレンディップ)
  • TOPPOINT (トップポイント)
その中でも一番月額使用料が安いところがSummary ONLINE(サマリーオンライン)です。

※今なら550円(税込)のところが、10/31までなら330円(税込)で以後継続利用できます。

使ってみた感想やサイトの使い勝手、メリット・デメリットも含め詳細に書いていますので、ぜひご覧ください。

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本の要約サービス「Summary ONLINE(サマリーオンライン)」を使ってみた

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ブログと「書評」について

一方、「書評」については「要約」と違って、執筆者の主観や感情が含まれるため、二次的著作物ではなく単なる批評となります。

しかし、「書評」も度を超えると、著作権者の権利を侵害にもなりかねないため、危うい場合は出版社や著作者に許諾を得るのが妥当です。

「書評」と「著作権」についての関係については、下記の記事に詳細に書いていますので、こちらもご覧ください。

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書評はどこまで書いてもOK?【著作権も詳しく】

2024/10/27    ,

ブログで書評を記事にしたいと思った場合、どこまで書いても良いのでしょうか?これには、著作者の権利を守るための著作権に大きく関わってきます。本記事では、著作権を根拠にどこまでOKなのかを解説していきます。

まとめ:個人ブログやサイトに載せるなら「書評」がベスト

  • 書評: 新刊の書物・雑誌の内容を紹介・批評すること。
  • 要約: 文章・談話などの要点をまとめて短くすること。

「要約」については「翻案」に当たり、原著作者の権利を侵害しかねない、という説明をしてきました。

もちろん、「書評」も度を超えてしまうと著作権法に抵触する恐れがあります。

「書評」はバランスですが、「要約」については裁量の余地がないとも言えます。したがって、当然出版社や著作者に許諾を得る必要があります。

ただ一個人が出版社や著作権者に許諾を得るには、利害関係等を含め厳しいものがあります。

ですので、個人がブログやサイトに掲載する場合においては「書評」や「紹介」に留まり、「要約」は"要約サービスサイト"などを見て楽しむものと割り切るのが良いと思われます。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

参考記事

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